宇宙よりも遠い場所 12話感想
(ネタバレ注意)
#よりもい #宇宙よりも遠い場所
いまさらだけどよりもい12話がどんなに神回か語りたい。
あのラストシーン。
報瀬ちゃんはお母さんを南極で亡くしてるから僕らが一般にするような葬式、お別れが出来ていない。だからこそ報瀬は「時間が止まったように」「夢の中にいるように」思えて前に進めなかった。母の死というのを受け入れる儀式が少女にはなかった。
僕が思うにあのラストシーンは葬式のメタファーだ。お母さん!と叫んでも故人は応えない。その沈黙で母の死を実感するのだ。
しかし、ここで叫んでるのは「いまここの」報瀬ではない。母の死を受け入れきれずにメールを南極に送り続けた、母の死からいまここに至るまでの報瀬だ。それをいまここの報瀬はメタ的に見ているのだ。幽体離脱的とも言えるかもしれない。
いまここで、初めて報瀬は母と同じ場所に立てたのだ。
3年間の報瀬の叫びと3年間の母の沈黙。その対比は不気味なまでに美しい。
同時に残酷でもある。
しかし少女はそれを超えて、仲間と共に、
淀んだ時間は、一気に、動き出すのだ。
(2018/03/22のツイート)